READMEの日本語訳です。

------------------------------------------------------------------------------

これは、gzip ver 1.2.4 配布のための README というファイルである。

  gzip (GNU zip) は 'compress' に取って代るために設計された、圧縮ユーティリ
ティである。compress を越える主な優位点はより良い圧縮と特許の取られたアルゴ
リズムからの開放である。GNU プロジェクトはこれを、そのシステムにおける標準圧
縮プログラムとして使っている。

  gzip は現在は zip 1.9 (ポータブルな pkzip コンパチのアーカイバ) で使われて
いる LZ77 というアルゴリズムをデフォルトで使っている。しかし、 gzip フォーマッ
トはいくつかの圧縮アルゴリズムに適応できるように設計されている。以下の zip 
と gzip の比較を見なさい。

  gunzip は現在のところ、gzip、compress、pack によって作られたファイルを展開
できる。入力フォーマットを判別するのは自動である。 gzip フォーマットに対して
は、 gunzip は 32 ビットの CRC をチェックする。pack の場合には、gunzip は非
圧縮時のビット長をチェックする。 `compress' フォーマットは一致チェックを許す
ようには設計されていなかった。しかし、 gunzip は時々、まずい(壊れた) .Z ファ
イルを判別することができる。なぜなら、 .Z 圧縮フォーマットには、ある程度の冗
長性があるからである。もし、 .Z ファイルを展開している時にエラーが起こったら、
その .Z ファイルは正しいと考えてはいけない。なぜなら、標準の uncompress は文
句を言わないからである。このことは、一般に、標準の uncompress は入力をチェッ
クしていなくて、幸せに (訳者註: 悪い意味での「幸せに」であり、「脳天気に」く
らいの意味だと思われる)ゴミ出力を作っているということを意味している。

  gzip は .gz という拡張子のファイルを生成する。以前のバージョンの gzip では、
拡張子 .z が使われていたが、それは既にハフマン・エンコーダ 'pack' で使われて
いた。 gunzip は .z ファイル(pack で圧縮されたもの、あるいは gzip で圧縮され
たもの)を展開できる。

  いくつかの計画された特徴は、まだサポートされていない(TODO というファイルを
見なさい)。バージョン 0.5 以降の主な変更点のために、 NEWS というファイルを見
なさい。インストールの説明のために、INSTALL というファイルを見なさい。いくつ
かの頻繁に尋ねられる質問 (訳者註 : いわゆる FAQ のことである)への回答が
INSTALL というファイルの中に与えられているので、読んで下さい。(特に、
/etc/magic エントリに対して、何度も私に尋ねないで下さい。)

  警告:いくつかのシステム上では、コンパイラのバグが原因で gzip がうまく動作
しない場合がある。特に、最適化のオプションをつけた場合である。今までに知られ
ている問題についてのリストとして、ファイル INSTALL の最後の "Special
targets" の節を見なさい。全てのマシンに対して、"make check" を用いることによっ
て、gzip が正しくコンパイルできたかどうかをチェックすることができる。もし何
か問題があるようならば、最適化なしで gzip をコンパイルしてみなさい。


  意見やバグ報告はすべて、電子メールで
        Jean-loup Gailly 
まで送って下さい。

  あるいは、もしこれが失敗するようなら、bug-gnu-utils@prep.ai.mit.edu. に送っ
て下さい。バグ報告は原則的には、以下のようなものを含めるべきである。

    * "gzip -V" の完全な出力(あるいは、コンパイルするために gzip を入手でき
      ないなら、revision.h の内容)
    * (使用している)ハードウェアとオペレーションシステム ("uname -a" を試し
      てみなさい)
    * コンパイルする時に使うコンパイラ (もし gcc なら "gcc -v" を使いなさい)
    * バグの振る舞いを記述したもの
    * バグを引き出させるような、gzip への入力

  もし、あなたが私のアクセスすることのできないマシン用のパッチを送るならば、
それらは十分注意深くテストして下さい。gzip はバックアップに使われるので、非
常に信頼できるものでなければならないからです。

  パッケージ crypt++.el は emacs から gzip されたファイルを扱うために、高く
推奨されている。それは暗号化と圧縮をなされたファイルを、最初に読んだり書いた
りする時に、自動的に認識する。それは、roebling.poly.edu [128.238.5.31] に匿
名で ftp することで、/pub/crypt++.el にあるものを利用できる。同じディレクト
リには、また、dired へのパッチ、ange-ftp、info がある。GNU tar 1.11.2 は 
gzip を直接起動するための -z オプションを持っているので、パッチをあてる必要
はない。パッケージ ftp.uu.net:/languages/emacs-lisp/misc/jka-compr19.el.Z も
また、 gzip されたファイルをサポートしている。

  znew と gzexe というシェルスクリプトは、ファイルの属性を転送する cpmod ユー
ティリティ(必ず必要な訳ではないが)から、gzip の利益を供給する。 
gatekeeper.dec.com に anonymous ftp することによって、
/.0/usenet/comp.sources.unix/volume11/cpmod.Z を利用できる。

  サブディレクトリ sample の中のサンプルプログラム zread.c、sub.c、add.c は
gzip の便利な補助ツールの例として供給される。各々のソースファイルの中にある
コメントを読みなさい。perl スクリプトの ztouch もまた、例として供給される
(perl に依存しているので、デフォルトではインストールされないが)。

  gzip はフリーソフトウェアであり、GNU General Public License の条項の下で、
それ(と/または)それを変更したものを配布することができる。 GNU General
Public License のコピーは、COPYING という名前のファイルの下に供給される。
gzip のソースの最新バージョンは常に、prep.ai.mit.edu の /pub/gnu か、それを
いつも反映しているサイトのいづれかにある以下のようなものを ftp で利用できる:

- gzip-*.tar (あるいは .shar または .tar.gz) の中のソース
- sparc-sun-solaris2/gzip-binaries-*.tar の中の Solaris 2 の実行型ファイル
- gzip-msdos-*.exe の中の MSDOS の lha による自己解凍型ファイル。解凍したら、
  gzip.exe を gunzip.exe と zcat.exe にコピーしなさい。あるいは、解凍には、
  "gzip -d" を使いなさい。

  gzip386.exe は 386 以上だけで動作するずっと速いものである;それは、djgpp 
1.10 でコンパイルされており、djgpp 1.10 は 
omnigate.clarkson.edu:/pub/msdos/djgpp のディレクトリにあるものが利用できる。

  VMS の実行ファイルは ftp.spc.edu:[.macro32.savesets]gzip-1-*.zip の中にあ
るものが利用できる(展開には[.macro32]unzip.exe を使いなさい。)。PRIMOS の実
行型ファイルは ftp.lysator.liu.se の /pub/primos/run/gzip.run にあるものが利
用できる。 OS/2 の実行ファイル(16 bit と 32 bit バージョン)は、以下のもの
が利用できる。 ftp.tu-muenchen.de:/pub/comp/os/os2/archiver/gz*-[16,32].zip

  ftp サーバーによっては、tar ファイルから自動的に tar.Z を作れるものもある。
もしあなたが初めて gzip を入手するのなら、ずっと大きい tar ファイルの代わり
に、 tar.Z ファイルを求めることができる。

  私にバグ報告やフィードバックをしてくれた方々に多大なる感謝をする。より多く
の詳細のためには、THANKS と ChangeLog というファイルを見なさい。


                        zip vs. gzip についての記述

  'gzip' という名前は大変不幸な選択であった。なぜなら、実際の圧縮と展開のソー
スは同じ人達によって書かれたものなのにも関わらず、zip と gzip は 2 つとも全
く異なったプログラムだからである。gzip には違った名前をつけるべきだったが、
今から変えるのでは遅過ぎる。

  zip はアーカイバである : それは、いくつかのファイルを 1 つのアーカイブファ
イルに圧縮する。gzip は単なるコンプレッサである : 各々のファイルは別々に圧縮
される。両方とも 'deflate' 法という同じ圧縮と展開のコードを共有している。
unzip は古い zip(implode, shrink, reduce 法による) のアーカイブも展開できる。
gunzip は compress と pack によって作られたファイルも展開できる。zip 1.9 と
gzip は deflation 以外の圧縮方法をサポートしていない。(zip 1.0 は shrink と
implode もサポートしている。) より良い圧縮方法が将来の gzip には追加されるか
も知れない。 zip は商的会社である PKWare によって強制されているから、常に 
pkzip との完全互換性に固執するだろう。gzip のヘッダフォーマットはそのような
強制を避けるために熟慮した上で、pkzip のヘッダフォーマットとは異なったものに
している。

  Unix 上では、gzip は tar との組合せにおいて、もっとも便利である。GNU tar 
の 1.11.2 は gzip を自動的に起動するための -z オプションがついている。"tar 
-z"は zip より良い圧縮をする。なぜなら、gzip は別個のファイル間での冗長性に
対してアドバンテージを発揮できるからである。(圧縮ファイルの)終りの方にある 1
つのファイルを展開するためには、tar.gz ファイル全体をスキャンしなければなら
ないのが、欠点である; unzip は zip ファイルの終りに直接シークできる。とにか
く、アーカイブ全体を展開する時には、オーバーヘッドはない。もし、.zip アーカ
イブの 1 つのメンバが損傷を受けたとすると、他のファイルはまだ、復活できる。
もし、.tar.gz ファイルが損傷を受けたとすると、損傷点以降のファイルは復活でき
ない。(将来のバージョンの gzip はエラーリカバリーの機能を持つだろう。)

  gzip と gunzip は単一のプログラムとして配布されている。zip と unzip は、歴
史的な理由により、 2 つの別々のプログラムである。しかし、これら 2 つのプログ
ラムの作者は info-zip チームの中で一緒に近くで働いている。zip と unzip は、
GNU プロジェクトとは関係がない。
ソースは ftp で以下の場所のものを利用できる。

         oak.oakland.edu:/pub/misc/unix/zip19p1.zip
         oak.oakland.edu:/pub/misc/unix/unz50p1.tar-z

-----------------------------------------------------------------------------

  README を訳してみました。英語は苦手だし、Unix にも詳しくないので、誤訳や意
味不明の珍訳があちこちにあります。(^_^;)


COPYRIGHT

     本邦訳は、ArctanX こと田辺英昭が著作権を保持しますが、GPL に準拠した配
   布を認めます。

★gzipのページに戻る


arctanx@hauN.org